出産レポ 初産12時間
出てきた我が子の顔を見たら、陣痛の痛みなんて忘れちゃった〜！
って皆様言うけど、愛を込めてアホちゃうかと。
この痛みの経験を忘れるって記憶障害か、私の友達によれば少子化防止一派やろって。
私は絶対忘れない、と思ってるんやけど、
まあ何があるか分からないし、1年後読み直してみて本当に忘れてないか実験しようと思い
念のため出産レポを残してみる。
寝不足で全力の運動したのに全然眠くないし。
■出産2日前
休職祝いでもらった安産のお茶が切れたので、
ボトルでアイスティー作って飲んでた。
これはジンクス関係なく、大好物のパイナップルも1パックこっそり食べた
■前日
スクワット100回(納得しないフォームがあり+15回くらい)
ラズベリーリーフティーは変わらずハイペースで飲む。暑いしハーブティーやしそんなに即効性ないっしょ、と。
定期検診では子宮口1センチ。(10センチで全開)
早いと1週間以内には産まれるかもね、って言われてた。
ただちょっと内診で刺激されたのか？いつもと違って腰にズンズンする前駆陣痛があった。
7/31-8/2まで大潮で、8/1新月やから産まれるかもねーって話してた。
お昼寝もしちゃったのに夜は23時前に珍しく眠い。でも腰の違和感で寝付けない。
■当日
朝4時半、高位破水。病院へ。
結論、18時出産。
内診をしたところ子宮口1.5センチ。
昨日から5mmくらいしか動いておらず、破水したら感染症予防のために24時間以内に産まなきゃいけないのに、お産の進みが遅くなりそうなのを懸念して、卵膜剥離をする。いわゆる内診グリグリ。全然痛くなかった…けどあっという間に大量の破水。
1回目の抗生物質の点滴と、陣痛促進剤？補助剤？を飲む。
6-9時くらいは陣痛来てると言いつつ、重めの生理痛くらい。
朝食ペロリやったし、旦那は私の部屋で寝てたし、合間にくだんない会話してたし超余裕。
台風みたいに、陣痛の波一回ずつ名前付けてこーって提案されて、天才かと思ってた。
ナーリー。
私は生理痛ピークのときは歩けなくなるくらい重症化するので、まあ10ヶ月サボってたからブランクもあるしな、、いてて、、って感じでした。そして何故か(汚い話)下痢でる。しかも3回。だんだん何の痛みか分かんなくなっていった。生理ピーク中にお腹壊した感じ。でもスッキリしてた。
10-11時くらいから？痛みの種類が変わって来た。腰がゴリゴリ痛み出す。結構痛くて息が止まるけど、息を吐いてるときは少し楽になることを発見。
到着したお母さんが腰さすって押してくれるけど
めっちゃ良いね！3割、良いね4割、そこちゃうねん、、2割、まじ今触るな…1割
なのに声が出ない、説明する体力がない。なされるがまま。
呼吸が乱れてくる。あんなに鍛えてきた腹式呼吸ができない。目を開けてられない。いたい、、、
さてお楽しみの内診です。
子宮口5センチ位って言われたらどうしよーーって思ってたら3.5センチ。これからもっと痛くなってきたら進むよーって。え、嘘やろ…これで35%？？
結果に絶望して余計呼吸できなくなる。
助産師さん「鼻から息吸ってー口から吐いてー」
私「あ、、吐く吐く…うぇおろろろろ」
助産師さん「あらそっち！？」
無理矢理ちょっと食べたお昼全部出た。
食欲ないとき食べるのやっぱダメね。
16時前くらいから？
最終形態。いきみたいのにいきんじゃダメの段階。
聞いてた通りココが本当に1番辛かった。小栗さおりさんの出産レポにあった、「腰にエンジン付いてて飛んでいきそう(ゴゴゴゴゴ)」って表現ほんと言い得て妙と思ってた。
旦那は廊下で陣痛の波測る機械見てたり、退院する男の子見てたりでちょっとムカついた。
痛みが最高に痛いときにスマホ触ってるのも本当にムカついた。楽天口座開設して欲しいから触ってて良いよって言ったの私なのにw
このときの内診で子宮口5センチ。
遠くで「強い痛みも来てるけど弱い痛みも来てるからね〜もうちょいだね〜」と聞こえる。弱い痛み？幻聴か？？
1分くらいボウリングの球をお腹方向から恥骨にゴリゴリ！！
収まった…？と思ったらまた1分くらい腰から尾骶骨にゴンゴン！！
止めどなくズガンズグン、て痛みがドンドン下腹に溜まっていく。痛みがなくなった瞬間ほぼ気絶のように意識が飛んだ。ら痛みで起きた。
のにウッてしちゃダメ。リラックスしろと。
もっと分かりやすく言うと、
那須川天心のボディブローを受け、力まずリラ〜ックス。鼻から息吸って口から吐いて深呼吸で耐えてね☆と言われてるような無茶振りでした。人間の構造的に無理やで。仙人かよ。
この痛みは子供の頭が下がってきてる痛み。
そして鼻から吸った息を口から出して呼吸を肺の奥まで通すことで、子供に酸素を届けることができる。
さらに口からふーーっと吐く腹圧で頭の位置を下げ、子宮口を広げる仕組み。しかもいきまない方がお産が進む。
と説明されて、なるほど完全に体で理解。これは本能を実感した。
ただ出来るかは別。理解と能力は別。
力入れたら息止まるから赤ちゃんしんどいよーって言われたし、お産進めて痛い回数減らしたいから頑張って耐えてみたけど、
最後の方はどうしても3/4の確率でグアーーってなって力が入る。
もうガクガクして脊髄から勝手に力入る。本能に反して脱力しているってマジで無理よ。アイロン手に当てられてリラックスできんやろ。
旦那の呼吸法アドバイスも、最初こそ「そやったそやった、ありがとう」と思ってたけど「分かっとるわ貴様やれるもんならやってみろ…！」という気持ちになっていった。
ねえねえ痛みガンガン強くなってるんですけど、まだ？？陣痛ってまだ痛くなるの？？
遠くで「土石来た？」「自分で力入れちゃってますけど、自然にガンと来るのははまだです。」と。幻聴か？これ自分で力入れてるだけで、自然に来てるものじゃないの？？ええ？？ねえ、陣痛ってもっと痛いの来るの？？？
後なんか知らんけど、急に仰向けにされる。何すんねん！と思ったけど、まじで何されてたんやろ。何かされてたけど意識が朦朧としてた。体力が限界に近い。
確かに仰向けやと力み辛かったけど、逆に言うと拷問やから。抵抗もできないままに殺されると思った。
17時半ごろ
「ゴール設定した方がいいなら第1の目標は今日中ね！」って言われて絶望。あと6時間…？普通に死んじゃうよ？
頭真っ白になってたら、「最悪あと12時間ね、まあ今までの12時間も一瞬だったでしょ？時間感覚ないのよ、大丈夫〜！」と言われた。
もういっそ殺してほしい、私の腹なんか掻っ捌いて良いから子供取り出して終わりにしたい、という気持ちを初めて味わった。
そして17時40分くらい？
数値はまだやったらしいけど、ベテラン先生が私の様子を見て、一応確認しようと提案してくれたらしく
内診のため分娩台。
歩いて自力で登った…脚ガタガタ。
はーい見ますよ、あれ…？
旦那さん立会いよね？準備して！
Aさんは？帰った？呼び戻して！！
着替えてるあいだに産まれますよ、もう産んじゃいましょう！
「え？？もういきんで良いんですか？？良いんですか…！？！？」と聞きつつ体が勝手にガンガンいきむ。ドンっと衝撃が走る感じ。
今思うと「全開だからいきんでね」って言って欲しかった。
良いよ良いよ〜上手よ〜
戻りましたー！
おお、Aさん間に合った助かった！
電話出た瞬間切られちゃったから拒否されてるのかと思いましたよーうふふー
今日は歩いてたから電話出れました〜車だったら出れなかったかも〜
という和やかな雰囲気の中、漏れる私の唸り声、ケモノが一匹。
手術室の雰囲気でビビってたから、逆にリラックスできてよかった。
陣痛に合わせていきんでねー！って言われたけど
ずっと下腹痛いからタイミングめっちゃ難しかった。
今は痛くないでしょ？いきんじゃダメよ〜息してね〜と言われ恐る恐る力を抜いた。
言い訳すると陣痛始まってから止まることなく下腹痛かったから分からなかった。
聞いてた話やと休憩あるから寝れるって言ってたのに。嘘つき。
旦那、何故か会陰切開をモロに見てしまったらしく、顔に手をやったらしい。
「ご主人倒れる？大丈夫ー？180センチは流石に運べないよ！」って聞かれてた。何でやねん倒れそうなのはこっちや。もう倒れてるけど。
あと、子供の頭が2回出たり引っ込んだりしたのを見たらしい。それは怖いな…
そういえば下半身は見えないっていう話やったんやけどな、、おかしいな。
会陰切開は私も先生がハサミ持つ所も見えてたからちょっと痛いかなと思って緊張してたけど、チョキン！て聞こえたときには色々壮絶で全く痛くなかった。むしろもっと切って！早く終わらせて！て思った。
18:03
合計4回目くらい？いきんだら出てきた。
頭が挟まってる感覚だったのがスッと消えて、生暖かい何かがドゥバルンて出てきた。
ほえっほえ〜と聞こえた。
呆然と、終わった…？としか思えない間に、バッと処置されたベイビーが紙を敷かれて胸の上へ。タンパク質の匂い。
はいはい写真〜と何枚か撮られてまた処置台へ。
旦那めっちゃ感動してるぽかったけど、私は現実感なかった。
されるがままに身長体重を測られてる我が子と、それをめっちゃ撮影して何か質問している旦那を見ても、
至極客観的な「可愛いねぇ…」しか出なかった。
会陰を縫うときの麻酔は全く痛くなかった。まじどうでも良い。それより寒かった。ヒザ大爆笑からの全身に広がる武者震い。全く苦痛なくパタンて開脚出来る股関節の柔らかさめっちゃ褒められた。
胎盤とへその緒もちらっと見えた。へその緒思ったよりマットなグレーなのにキラキラしてた。
胎盤出すのは痛いこともあると聞いてたのでドキドキしてたけど、痛いは痛いがズルルルってむしろちょっと気持ち良かった。デトックス感。
それより予告なしの悪露だしはホンマにあかん。ダメージ大の子宮を急にグイグイ押して
血を出させる。拷問かと。気を抜いてた分、分娩の痛みレベルで痛かった。叫んだ。
みんな苦笑。いやいや(苦笑)ちゃうわと。
事後処置で金具入れられてお腹が動いてた。ホラー。。
そして陣痛室で事後処置をしてると、オムツ一丁の我が子が保育器に入って登場。
あれ？裸眼でベッドからはあんまり見えてないけど、めっちゃ可愛い。めっちゃ可愛いやんけ…
実母も旦那もメロメロやったけど、確実に私が1番可愛いと思っている。
お風呂上がりに服着て再登場してきた我が子も超可愛い。ちっちゃい…
トータルで言うと出産の心技体を鍛えていたためか、(イメトレ、腹式呼吸の練習、筋トレ)
最初は所要時間24時間を匂わされていた中
初っ端から陣痛間隔2分でガン飛ばす我が子、
陣痛開始12時間の安産で、母子ともにその後の経過もとっても順調です。鍛えてて良かった。
後陣痛は痛い。子宮が収縮して痛い。また生理痛始まった。
お腹がペタンコなのが逆にとっても違和感…仰向け苦しくない。
私も何だかんだ、この痛みをいつか忘れるのだろうか。
いや、絶対忘れないでしょ。次は無痛か和痛分娩したいわ…と今のところ思っている。
誰かの役に立つことで自分が救われる
産後鬱、という言葉は本当によく聞く。
慣れない育児に対して周囲から、または自分自身からののプレッシャーで自信を失くしたり、社会との隔たりを感じて自分に価値を感じなくなったりし、
そこにホルモンの変化や睡眠不足などがきっかけとなって発症するらしい。
それと同様に、産前鬱という症状もあるそうで。
色々調べると、産前に働いていた女性がなりやすいらしい。
私も今のところ鬱ではないけど、このままだと発症しかねない。
９ヶ月の半ばに産休に入らせてもらったんですが、
急にぽっかりと時間が空いて、やるべきことはパラパラあるものの、
出産準備、掃除、模様替え、断捨離、書類の整理
納期があるわけでもない、誰に期待されているわけでもない。
お腹が苦しい。横になっていても、座っていても、立っていても歩いていても苦しい。
息を吸うのも苦しい。立ち上がったり座ったりするのも辛い。
腰痛い。恥骨痛い。背骨も痛い。
あ、妊婦こんなに辛いんだと初めて知りました。
そんなもんだから夜寝付けない、眠れてもトイレが近かったり、胎動で起こされて
長い時間眠れないから、日中１〜２時間睡眠をとる。
少し料理をする、掃除をする。
あーなんか色々やらなきゃなーと思いながら、
気付いたら16時。16時の何ともならない感やばい。
夕暮れの中、まだ夜のゆったりモードには入れない時間。ここまでで誰とも話していない。。
産後鬱よりは大丈夫、と言われてるけど、結構辛い。
「お腹で子供を育てているのはとてもすごいことだよ」「焦らずゆっくりしていい時間なんだよ」と言われても
それを自分自身で納得するのはとても難しく。
グズグズした１週間を送っていたとこで、これではやばいと思いだした。
ただこの症状も、ここ2、3日でなんとな〜く回復してきた。
多分理由が3つある。
1つ目は本当に単純に、10ヶ月を目前にして
少しお腹が下がってきて、呼吸が楽になってきたこと。
お腹は重いし体は痛いけど、動かずにいられない私にとって
息ができる、動ける、というのは本当にありがたいことだ。
2つ目、産休に入る前に会社の尊敬する人に
復職したいから、産休中に何をインプットしたらいいと思うかと聞いた時に
「まずは自分の人生をどうしたいか、を長期スパンで考えてみたら？」
と言われたことを思い出した。
まだまだ仕事に関しては明確に答えは出ていないものの、
仕事をずっと続けていくことと、暖かい家庭を築いてそれを両立することが夢。
これだけはブレない、確実にそう。
仕事と同じくらい家庭も大事にしたいなら、
それには産休をとっても復帰できるスキルと同じく、
暖かい家庭を築くことも必要なんだと思った。
（まあ、そのために何ができるかというというと難しい。）
仕事しているときは、どうしても業務に必要なインプットしかしなくなる。
仕事から離れている期間って実はとってもレアなので
復職した時のために業界トレンドくらいのインプットは続けながら
今しかできないような家庭に関してのインプットとアウトプットを
してみようと開き直ってみた。
まずは一旦子育てを体系的に学ぼうと思い、ベビーシッターの勉強を始めることにした。
私も子育てにそれ必要？って思ったけど、
いつか副業でもしたくなったらアドバンテージになりそうだし、
何より丸腰で子育てに挑むより、勉強したことの実践・検証ができると考えると
自分自身が子育てを楽しめるんじゃないかな。と（勉強は好き)
あとはベビーグッズを手作りしようと思ってミシンを買っていたので、
くま耳付きのタオルポンチョとか、オムツポーチとか、スタイを作ってみた。
た、楽しい、、無心になれる。次はモンキーパンツを作る。
それから保険の見直しをした。
ずっと銀行にお金を入れっぱなしになっていたのが気になっていたので、
外資系でがっつり貯蓄を貯めようと思う。（貯金も大好き）
これでもし私が死んじゃっても、暖かい家庭の為の資金になればいいな。
絶対100歳まで生き抜いて、利率良く返してもらうけど！
仕事以外のインプットアウトプットって、一種の逃げのような気もしていたんだけど
こういうゆっくりしたものも自分の世界を広げるという意味では結構レアな体験なのではないか。
そしてここまでやると決めたので、あとは開き直ってこの行動を正解にするしかない。
振り返って、ゆっくりしたいい時間だったなと思えるように。
3つ目、実は産休に入ったら
友人に少し手伝って欲しいと言われていたことがあった。
本当に簡単な作業だけど、１週間経って形になると
感謝されたことがうれしかった。
自分の価値が少し認められた気がして、
こちらが救われた気持ちだった。
就業を支援する仕事をしていた身として
常々仕事があるって幸せなことだと思っていたけど
今回、身を持って実感した。
戻ったらもっともっと仕事も頑張ろう、っていい意味で思えた。
お金を稼ぐことに罪悪感を抱く人がいるらしいけど、
自分が誰かに感謝されて、その形が稼ぎとなるのだから
私は、お金を稼ぐ＝人の役に立つということだなーと思ってる。
ただ、うーん、、
私のこの価値観だと、お金の出ない主婦業というものが辛くなってしまった。
（私はたまたま産休という形で保護されているけど）
今しかできないことを、と開き直ったのに矛盾しているなーと思うけど、
根本としてはやっぱり働きたいな。。
思うままにゆっくり過ごして、
しっかり子育ても楽しんで、保活もがんばろー！
無駄を愛でるということ「形式的合目的性の美」
私はめちゃくちゃ合理主義で、
かなり損得勘定で物事を判断するタイプだと思う。
できるだけ効率的に生きていきたいし、
これって自分の為になるのか？という点が無意識に判断基準になっている。
会社では定期的に、匿名で周囲の人を評価するサーベイをやってるんだけど、
本当に人のことしっかり見ている人が多く、毎回図星を突かれている。
１年目の豆腐メンタルの時は泣いたもんね。
「判断基準が損得勘定」「評価を気にしすぎて内向きに仕事をしている」
「事業価値をもっと考えろや」
まあ、文章の癖とかで大体書いた人はわかるんだ。
生活動線が効率的だと気持ちいいし、
雨の日に家にいないとできないことをしている効率の良さに機嫌が良くなったりもする。
誰か他人に親切にするにしても、
情けは人の為ならず、、と言い聞かせて行動に移すことだってあるくらい。
もちろん家族や好きな人たちは自分と等しい存在になるので、
そういう人の為なら無償で尽くしたくはなるんだけど。
優しくないのは分かっている、、
でも意外とそういう人はいるんじゃない？とも開き直ってる。
一方で、そんな私はある無駄なことが好きです。
例えば料理の端っこに付いてくるきゅうりの飾り切りや、壁の細かい透かし模様、
スターバックスでコーヒーを買った時に書いてくれるメッセージ、
旅館に泊まった時に置いてある、白鳥の形に折られたタオル
▼スタバのメッセージ。ほっこり。
時間も人件費、新人への教育コストもインク代もかかる割に、
それによって総合的な満足度が変わったり、
ましてそれを目当てに来店する人なんて
ほとんどいないんじゃないかなと思う。（スタバは一人いたし、意外といるかも）
多分、これをすることで数字としてはビミョーに損している。
もちろん神は細部に宿る、ということで。
おもてなしの意図を伝えたり、
全体を通してブランディングの意図があったりするから
必要なことなんだろうけど。
まあ、その行為が長期的にみて損なのか得なのか、という話は一旦置いといて。
私はそういうものがとっても好ましい。好き。
長年、その感覚を上手く言語化できておらず、
「粋」とか「遊び心」かな…？と思っていたところ、
会社での飲み会で同期にバシッとラベリングしてもらいました。
「あー、カントの形式的合目的性の美だね。」
同期は変わったやつだなと思ってたけど、めちゃくちゃ知的なやつだった。
よくよく話を聞くと、
合目的性とは、目的があるという性質（つまり合理的なもの）であり
形式的とはそのままで、形式的には、表面上は、というような意味
つまり、形式的合目的性というのは
「本当は目的はないけど、あたかも目的を持っているように見えること」
そして形式的合目的性の美は、甲田純生の『判断力批判』にて下記の通り説明されている。
「美しい対象が、あたかも我々に快を与えるという目的をもっているかのように見える、ということであり、これが美的対象のもつ形式的合目的性である。」
きゅうりの飾り切りの例で言うと、
顧客に美しいと感じてもらおうとして（再来店を狙って）切られているように見えるけど、
実はそれを目的にしてはおらず、ただ飾り切りされているだけ、
という状態が好ましいんだなあ、と納得。
合理的じゃないことに注力できない自分は、
美しくあることを目的としていない美しさ、それを実現する労力に
一種の憧れのようなものを感じているようです。
10数年のモヤモヤが一気に晴れた夜でした。
それにしても私のグダグダな説明を言語化した同期、すごすぎない？
